暗号資産税制改正における国会内の動き

  1. 税制検討部会

目次
1. 長きにわたる暗号資産業界への静かなる貢献
2. 「今から税制改正を実現しないと間に合わない」 
3. 専門家・利用者らとの活発な対話
4. おわりに
5. ふじすえ健三議員 プロフィール

Web3.0・NFT等の環境整備の中核には暗号資産に関する所得に対する分離課税を導入し、ほかの国と同じレベルにするということが必要
Web3産業が世界中で勢いづきながらもパブリックブロックチェーンの事業開発やユーザーの利用環境に乏しい日本において、国会や多くの議員の前で熱を帯びた口調で真っ直ぐにこう説く政治家がいる。

「ふじすえ 健三」氏だ。

気さくな表情の一方、そのバックグラウンドは東京工大情報工学科卒業から通商産業省、マサチューセッツ工科大学とハーバード大学を経て、東京大学助教授を務め、参議院議員に当選を3回。加えてプロボクシングライセンス保有という、技術畑への理解を持ちながら官庁、政治の肌感覚も備える異色の経歴を持つ政治家である。

創作クリエイターの層からも支持が厚く、2021年冬のコミックマーケット開催に尽力したことやフリーランスへの持続化給付金の維持への尽力などから、その実行手腕には定評がある。

長きにわたる暗号資産業界への静かなる貢献

ふじすえ氏は長らくこの暗号資産・ブロックチェーン業界で活躍する人々と交流があり、暗号資産法制において先進国である日本の法整備のほぼ全てに携わっていることが国会答弁議事録を参照すると明らかになる。昨今課題となっている法人のトークン保有に対する期末時価評価課税についても、売上として会計処理とされ資金調達が機能しないことを2017年の国会から問題提起していた。
この分野でグローバルに渡り合うイノベーションを育むべく、海外の暗号資産関連事業者や規制当局との対話も精力的に行っている。(ふじすえ健三氏:仮想通貨政策に関する英国視察メモ

古くから暗号資産技術にイノベーションを見出してきた氏の経歴と、日本のクリエイター・IPの活躍を支援してきた経歴が、昨今NFTが爆発に花開いたことにより一気に交差した。

「今から税制改正を実現しないと間に合わない」

世界で急速に発展する暗号資産市場の拡大と日本の環境が噛み合わない現状に課題感を覚えたふじすえ氏は各所でこのように口にする。NFTのブーム・Web3.0の概念が普及し、暗号資産のユースケースが幅広い人々に浸透した2021年末の暗号資産市場の時価総額は3兆ドルを超えた。そんな急激な勢いに劣らず、ふじすえ氏は持ち前の実行力を発揮して関係各所へはたらきかけている。

今月6月には業界にとっては馴染み深いNFT政策検討PT座長の平将明 衆議院議員、初代デジタル大臣の平井卓也 衆議院議員をはじめ、税制改正に重要な役割を担う自民党税制調査会 会長の宮沢洋一氏、前会長の甘利明氏と意見交換を行い、税制改正の実現に向けた戦略・環境を構築している。(Youtube 【Weeklyふじすえ健三!】暗号資産関連活動の習慣報告

国会では参議院財政金融委員会の場で暗号資産税制の改正を提言し、その実現に向けて現在の税収規模の把握や省庁間連携を促している。(2021年3月16日 財政金融委員会
5月25日の参議院本会議においては岸田総理大臣に対しても、「ウエブ三・〇の時代に中心的な役割を果たす暗号資産、特にNFT、ノンファンジブルトークンは極めて有効な手段となっています。税制面で取引の拡大のための環境整備が必要となります。」と進言している。(ブログ「暗号資産取引に係る税制改正③ 本会議場で岸田総理と質疑」

専門家・利用者らとの活発な対話

現場主義を持ち味とするふじすえ氏はTwitter上で活発に暗号資産業界の専門家や利用者から最新動向をヒアリングし、課題を吸収している。(アーカイブは一か月間Twitter上で聞くことが出来る。

ふじすえ健三スペースまとめ

開催日 スペース対談者
4/15 平将明 衆議院議員
4/25 吉田 世博氏 株式会社Hashpalette/株式会社HashPort 代表取締役
5/2 大塚 雄介氏 コインチェック株式会社 共同創業者 専門役員
5/12 竹ケ原 圭吾氏 コインチェック株式会社 執行役員、(一社)日本暗号資産ビジネス協会 税制検討部会 副部会長
5/17 小田 玄紀氏 株式会社ビットポイントジャパン 代表取締役会長
5/18 仮想NISHI氏
5/23 平野 洋一郎氏 (一社)ブロックチェーン推進協会 代表理事
5/24 沼澤 健人氏 株式会社Aerial Partners 代表取締役
5/29 廣末 紀之氏 (一社)日本暗号資産ビジネス協会 会長、ビットバンク株式会社 代表取締役 CEO
5/30 村上ゆういち氏 暗号資産税理士
6/2 松本 泉氏  ベーカー&マッケンジー法律事務所 弁護士
斎藤 岳氏 株式会社pafin(旧クリプタクト) 代表取締役、(一社)日本暗号資産ビジネス協会 税制検討部会 部会長
竹ケ原 圭吾氏(前掲)
6/5 井本 勝氏 スタンダードトランザクション株式会社 代表取締役
6/7 アミン アズムデ氏 株式会社pafin(旧クリプタクト) 代表取締役
6/9 加納 裕三氏 株式会社bitFlyer Blockchain Co-Founder/CEO、(一社)日本ブロックチェーン協会 代表理事
6/9 國光 宏尚氏 株式会社Thirdverse 代表取締役 CEO
6/10 藤原 哲哉氏 株式会社ForN 代表取締役、YGG Japan Co-founder
上野 広伸氏 double jump.tokyo Inc. 代表取締役/CEO
6/11 畑瀬 匡甫氏 HATASE HOLDINGS 代表取締役
6/14 金光 碧氏 株式会社bitFlyer Blockchain 取締役、株式会社bitFlyer Head of Treasury
竹内 春華氏 山古志住民会議代表
林 篤志氏 (一社)Next Commons Lab 代表
6/16 平野 洋一郎氏 (一社)ブロックチェーン推進協会 代表理事
6/20 北川 敦司氏 株式会社BIGBANG 代表取締役社長
村上 学氏 同社 プロデューサー
6/21 木曽 崇氏 国際カジノ研究所 所長/(一社)日本ゲーミング協会 代表理事
6/21 河野太郎 衆議院議員

おわりに

パブリックブロックチェーン上で育まれうるWeb3.0の推進には暗号資産は切り離せない。その達成には、法人の環境整備とともに、そのプロジェクト群のユーザーとなる利用者の環境整備は必須だ。少なくとも、G7と水準を同じくする内容で。
イノベーション・新しい産業への期待感と行動力から業界に飛び込む若い起業家・利用者の希望の芽を育もうとする政治家の全力の活動を、暗号資産の利用者の多くの方々に是非知っていただき、今後も注目いただきたい。

■ Youtube「Weekly ふじすえ健三」(暗号資産税制改正の活動報告)

自由民主党税制調査会長宮沢洋一先生、平井卓也先生、平将明先生と面会

■ クリプタクトコラボ動画

JCBA×Cryptactコラボ動画企画!
自民党 ふじすえ健三議員×斎藤 税制検討部会長とのYoutube対談です!

1. 自民党ふじすえ健三議員にきく!暗号資産の税制
~分離課税提言の背景、NFT・Web3、国際競争力、クリプトのイノベーションに対する思い~

2. 暗号資産税制改正へのロードマップ

3. 暗号資産/NFTに注目したきっかけ、可能性、税制は?!

ふじすえ 健三氏 プロフィール

Twitter
オフィシャルサイト
所属会派

自由民主党・国民の声

選挙区・比例区/当選年/当選回数

比例代表選出/平成16年、22年、28年/当選3回

参議院における役職等一覧

令和4年5月15日現在
・ 財政金融委員会(理)
・ 行政監視委員会
・ 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会
・ 憲法審査会(幹)

1964年2月18日熊本県熊本市生まれ。86年、東京工大情報工学科卒業後、通商産業省入省。95年、政府留学生としてマサチューセッツ工科大学経営学大学院卒業。96年、ハーバード大学行政政治学大学院卒業。99年、通商産業省を退官し、東京大学大学院講師に就任。2000年、東京大学助教授に就任。2005年、中国清華大学及び早稲田大学客員教授に就任。2013年、早稲田大学大学院国際関係論博士号取得○参議院総務委員長、総務副大臣兼郵政民営化担当副大臣を歴任○現在財政金融委員会理事、行政監視委員会委員、倫理選挙特委員、地方消費者特委員○著書「技術経営論」他多数○米国でプロボクシングライセンス取得

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日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)では、暗号資産業界発展のために、様々な取り組みを行っています。各種お問い合せにつきましてはお気軽にご連絡ください。

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